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今夜からスキーで栂池まで行くというのに
思い立って、お雛さんを出しました。
段飾りはわたしが子供の頃、年の離れた従姉から譲ってもらったもの。
従姉の年齢からして、55年は過ぎていると思います。
今どきのお雛さんより小ぶりなお人形ですが
りっぱな御殿に入ってはります。
この御殿、屋根にしゃちほこが付いてます。
愛知県らしい作りです。
人形の傷みが激しかったので、おととし「京人形きまた」さんに
修復をお願いし、全てのお人形が黒々とした髪の毛になって戻ってました。
「京子の人形を買ってやってくれ」と父から言われて
探してたときに、たまたま通りかかった「京人形きまた」さんに、
裸で、髪の毛も付いていない市松人形が置いてありました。
人形の顔が気に入り、即決で作ってもらうことに。
人形の着物はわたしの振袖の袖部分を使ってもらいました。
おととしの秋、出来上がった人形を受け取りにいくと、
店中が胡蝶蘭の鉢で溢れていました。
数日前に皇居で瑞宝単光章叙勲を受け取られたとのこと。
とてもりっぱな人形師さんだったのでした。
去年の再放送で、たまたま観たのですが
わたしの大好きな書家の俵越山先生(元、越前屋俵太さん)
の番組、「嗚呼!越山先生」でも、取材をされてはりました。
その取材の様子を観ていても、とても素晴らしい職人さんでした。
きまたさんは「こういう、一からのお人形作りの注文はあまりないので
楽しんで作らせていただきました」と、おっしゃってくださいました。
「京子のお人形」とすり込みしてきたからか、
出している間、わくわくしながらも、触ろうとはしません。
わたしの作業をじっと見ています。
飾り終えたとき、喜びの踊りを披露してくれました。
よほど嬉しかったようです。
3月3日が終わってすぐ片付けるのはもったいないので
3月いっぱいくらいまで出しておきます。
それまで、京子は1日1回はお人形にご挨拶をするそうです。
顔が気に入られて、その後に髪の毛をつけ、着物も振袖の一部分・・・そんな人形の作り方があるのか・・気持ちのこもった、ほんとにすてきな人形です。京子さんは大人になっても、人形を見るたびに、母の気持ちを感じるんだろうなぁと思います。
ほんとに、愛らしいです。
この裸の市松さん、作る人が引退される予定で、
もう手に入らなくなるとおっしゃっていました。
そのとき、きまたさんには3体ほどあったのですが。
きまたさんは髪付け師さんなので、
百貨店や大きな人形店でみる市販の市松さんと比べると、
我が家の市松さんはかなりふさふさの髪の毛です。
着物の刺繍も、近所の内職のおばあさんがされたとのことで、
とても味わいのある手刺繍です。
おばあさんもお年で、いつまで頼めるかわからないとおっしゃってました。
市販の人形と比べると確かに値がはりましたが、同じようなレベルの市松さんより安かったです。
お値打ちだったと喜んでます。
スポンサーの父は結局、人形を見ずに亡くなってしまったのですが、「京子のお人形」とすり込みするときに「写真のじいじに買ってもらった」をいっしょに言い聞かせてます。
わたし自身、特別に人形が大好きなわけではないんですが、
母方の祖父に雛人形のかわりに買ってもらった日本人形は嬉しく、大事に思っているので、
京子にもそう思える人形があったらいいなと思って作ってもらいました。
たった一人の孫への父の気持ちを京子に伝えたいなと思っているのです。